健康/医療

【薬剤師が解説】で?結局ジェネリック医薬品って大丈夫なの?【不安な方にも分かりやすく解説】

で?結局ジェネリック医薬品って大丈夫なの?

ポイント

2021年3月3日、ジェネリック医薬品メーカーの最大手である日医工株式会社が、医薬品の製造や品質管理の体制に問題があるとして、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づく行政処分を受けました。2020年4月~2021年1月中旬にかけて75品目に上る自主回収が行われています。

ニュース等で取り上げられたこともあり、皆さんも耳にしたのではないでしょうか。

他にも2021年2月9日には小林化工株式会社が、製造している爪水虫の治療薬に睡眠導入剤成分が混入した問題で、行政処分を受けているなど、私たちの生活に関わりのある医薬品の信頼が揺らぐ事態になっています。

はたしてジェネリックメーカーへの信頼度が揺らいでいる中、それでもジェネリック品の医薬品を使用して良いのかについて掘り下げていきたいと思います。

こんな事を掘り下げていきます

  • ジェネリック医薬品とは【不安な方にも分かりやすく解説】
  • ジェネリック医薬品を作っているメーカーについて
  • 薬剤師がジェネリック医薬品を薦める理由
  • 最後に

本記事の結論

ジェネリック医薬品は先発品との違いを認識した上で利用すべき!

※個人の主張/思考/考察であり、事実を示しているものではありません。

ジェネリック医薬品とは

後発医薬品ともいいます。
製薬会社が開発した医薬品(先発医薬品)の特許期間が満了した後で発売される医薬品で、同じ有効成分を含む価格の安い製品です。

ジェネリック医薬品の位置づけ

医薬品は製薬企業による研究、開発、製造される製品です。医薬品は一般用医薬品と医療用医薬品に分類されます。

一般用医薬品はドラッグストアなどで処方箋なしでも購入できるお薬です。医療用医薬品は医師から発行される処方箋によって使用可能な医薬品です。

医療用医薬品はさらに先発医薬品とジェネリック医薬品(後発医薬品)とに分けられます。

国は医療費削減のためにジェネリック医薬品を積極的に推奨しています。

ジェネリック医薬品はどうして安いの?

製薬企業が医薬品(先発医薬品)を製品として世に出すには、約9~17年の期間と数100億円以上のコストがかかります。

ジェネリック医薬品は、既に有効性・有効性が確認された成分を使用しているので約3~5年という短い期間で製品にすることが可能なため、より少ないコストに抑えることができます。また既に有効成分の認知や有効性情報・安全性情報の伝達/収集が充分に完了している薬剤であるため、そのような情報提供費用も最小限にすることが可能です。

オーソライズドジェネリック医薬品について

特許が切れた先発医薬品と同じ有効成分を含む一般的なジェネリック医薬品のうち、添加物や製造法なども同じオーソライズドジェネリック医薬品という分類を受ける医薬品が存在します。

先発医薬品を作った製薬企業(新薬メーカー)の許諾(Authorize オ-ソライズ)を受けて作成される医薬品で、明確な定義はありませんが一般的には原薬、添加物、製法が同じと言われています。また特許使用の許可を得て、他のジェネリック医薬品に先行して販売できるジェネリック医薬品です。

オーソライズドジェネリック医薬品を販売する会社は先発医薬品を販売している製薬企業の子会社やグループ会社、利害関係のある会社であることが多いです。

例えば第一三共株式会社の"オルメテックOD錠"であれば、同じ第一三共グループである第一三共エスファ株式会社から"オルメサルタンOD錠「DSEP」"が販売されています。

他にも武田薬品工業株式会社の"ブロプレス錠"であれば、武田薬品工業株式会社が最大の株主であるあすか製薬株式会社から"カンデサルタン錠「あすか」"が販売されています。

※オーソライズドジェネリック医薬品の中でも、例えば第一三共エスファ株式会社が製造する医薬品は工場までも同一のため、安いだけの先発医薬品と考えてもらっても問題ありません。

オーソライズドジェネリック医薬品は、特許が切れた全ての先発医薬品に対して存在しているわけではありませんが、ジェネリック医薬品に抵抗のある患者様でも安心して選んでいただきやすい医薬品になります。

オーソライズド医薬品の中にもランクが存在します。

AG1:原薬も製法も工場も先発品と同じ。安い先発品と言える。

AG2:薬は全く同じものであるが、製造工場が異なる別の会社が行う。

AG3:原薬が異なるが、薬としては同じもの、製造も別の会社が行う

ジェネリック医薬品を作っているメーカーについて

ジェネリック医薬品を製造している製薬メーカーは多岐に渡ります。
主なメーカーを記載します。

  • 日医工株式会社
  • 沢井製薬株式会社
  • 東和薬品株式会社
  • 富士製薬工業株式会社
  • 日本ケミファ株式会社

ジェネリック医薬品メーカーは、特許の切れた有効成分を利用して医薬品を製造しているため、あらゆるコストを抑えて安価で医薬品の供給を行うことが可能です。(先発医薬品メーカーは有効成分/医薬品の研究・開発に膨大なコストをかけています。)

ジェネリック医薬品メーカーでは商材である薬自体が安価なため、あらゆる製造コストを抑えつつ高品質な医薬品を製造し安定供給することが求められています。つまり社会的価値と事業価値の両立が高いレベルで求められているわけです。

その高いレベルの要求が個々の社員ベースで求められるため、社員間の認識のズレや企業の体制に不備がある場合、冒頭で触れた大きな問題につながることとなります。

今までジェネリック医薬品メーカーの中でも大手企業であれば問題ないだろうと思っていましたが、最大手企業である日医工株式会社ですら問題が起きたため、今後リスクとして認識しておくべきだと思います。(先発医薬品メーカーでも同じリスクをはらみますが、実感ベースで問題発生の頻度に大きな差があります。…薬剤師の皆様なら分かっていただけるかと。)

薬剤師がジェネリック医薬品を薦める理由

薬剤師としてジェネリック医薬品を推奨する理由は突き詰めると「薬価が安いのため医療費(薬剤費)を軽減できる。」という点に尽きます。

「薬価が安いのため医療費(薬剤費)を軽減できる。」と恩恵を受けるのは、①実際に窓口で1~3割を負担している患者②残りの費用を賄う国庫(国が負担する医療費)です。

①実際に窓口で1~3割を負担している患者

①実際に窓口で1~3割を負担している患者については、先発医薬品とジェネリック医薬品の違いを把握し、薬剤師と相談しながらメリット/デメリット等をきちんと把握した上でどちらかを選択するのがベストです。(医薬品によりますが、窓口の支払いが数千円単位で変わることも良くあります。

毎月定期薬を貰いに来る患者様にとっては、大きな固定費である薬局窓口での支払い。ジェネリック医薬品の使用が問題ないのであれば、積極的に使用したいものです。

②残りの費用を賄う国庫(国が負担する医療費)

②残りの費用を賄う国庫(国が負担する医療費)については、国が圧縮したい社会医療費の1つです。国民皆保険制度を導入している日本においては、高齢化社会が進むにつれ益々大きな問題となっています。

そのため医療の現物支給が行われている生活保護受給者に対しては原則ジェネリック医薬品の利用が推奨されていたり、後発医薬品の使用比率を高めている薬局にインセンティブ(この表現が正しいかは分かりませんが…。むしろ後発医薬品の使用比率が低いメーカーに対しての圧力をかけている?)を設けたりしています。

最後に

僕自身が患者として薬局へ行く際は積極的にジェネリック医薬品を使用したいと思っています。(どうしても効果が感じられなければ、先発品を検討します。)※先発医薬品の効果とジェネリック医薬品の効果は厳密には違う場合もあるため、そのあたりについてはまた別記事にて紹介します。

来局される患者様で、「先生の処方箋通りの書いてある薬を渡してくれたらいい」と先発品を希望される方が多く見受けられますが、処方箋で先発品の薬の名称が書かれている場合は、(処方箋にジェネリック医薬品への変更不可の注記のない限り)先発品でもジェネリック医薬品でもどちらでも良いので薬剤師と相談して決めてくれという医師の指示となります。

そのため、是非一度まずジェネリック医薬品を試すことは、良い選択肢だと思います。

知ってる人が得をする社会において、医療は最も情報格差が激しい分野の1つです。法律の分野で分からなければ弁護士や税理士、司法書士、行政書士などその道のエキスパートに相談するように、医療の分野では医師だけでなく薬剤師も有効活用いただければと思います(きっと法律の専門家に相談するよりハードルは低いはずです。笑)

僕自身、損をするのは大嫌いです。
そして周りの人たちにも損はしてほしくないと思っています。

今後も時代、世間に乗り遅れないための、「当たり前の知識」を共有していきます。

-健康/医療

Copyright© 薬剤師による雑記帳-医療とお金と- , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.